
相談者化粧水をたっぷりつけているのに、夕方になると頬がつっぱるんです。保湿の順番とか選び方って、何か間違っているんでしょうか?
Relashよくあるお悩みですよ。化粧水の量が足りないのではなく、「水分を与える」あとの「逃がさない」ステップが足りていないことが多いんです。順番と選び方のコツを、一つずつ整理していきましょう。
保湿をがんばっているのに乾く。そんなとき、「もっと高いものに替えなきゃ」「もっと回数を増やさなきゃ」と、つい足し算で考えてしまいますよね。朝の洗面所で、ファンデーションが粉っぽく浮いているのを見ると、気持ちまで沈んでしまうものです。
結論からお伝えすると、乾燥肌の保湿は「水分を与える」「うるおいを抱える」「逃がさない」の役割を、順番に重ねることで成り立ちます。基本は、洗顔のあと時間をおかずに、化粧水で整えて、乳液やクリームでふたをする流れです。そこに、季節と肌の状態に合わせた微調整を加えていきます。
この記事では、肌が乾く仕組み、乾燥しやすい環境、保湿の基本の考え方、朝と夜の順番、保湿成分と選び方、やりがちな失敗、そして皮膚科に相談したいサインまでを、順番にお伝えします。難しい専門用語はできるだけ避けて、今日から試せる具体例を交えながらお話しします。

肌の一番外側の角層は、10〜20ミクロンほどの薄い膜で、日本化粧品工業会に掲載された田上八朗先生のエッセイ(2012年)では、この角層が外の刺激を防ぎ、水分を逃さないバリアとして働くと説明されています。このバリアが整っているとき、肌はしっとりして、なめらかに感じられます。乾燥肌と呼ばれる状態は、この角層の水分が足りなくなり、バリアが揺らぎやすくなっている状態だと考えるとイメージしやすいでしょう。
角層の水分を保っているのは、日本化粧品工業会の『保湿とエモリエント』によると、おもに二つのしくみです。ひとつは、角層の細胞の中にある天然保湿因子(NMF)で、角層の約30%を占め、アミノ酸や乳酸、尿素などから成り、水分を抱えこみます。もうひとつは、細胞のすき間を満たす細胞間脂質で、セラミドやコレステロールなどが、層になって水分の蒸発を防いでいます。
つまり、乾燥肌の保湿では、水分そのものを補うこと、水分を抱える働きを助けること、蒸発を防ぐことの三つを意識すると、バランスがとりやすくなります。日本化粧品工業会はこれを「モイスチャーバランス」と呼び、水、NMF、皮脂、細胞間脂質のバランスを整える考え方を紹介しています。
なお、乾燥には、体質、年齢、季節、洗いすぎ、紫外線、エアコンなど、さまざまな要因が関わります。年齢を重ねるとともに、肌の入れ替わりのリズムがゆるやかになり、乾燥を感じやすくなることもあります。「自分のケアが悪いのでは」と責めすぎず、まずは環境と習慣を見直す姿勢で向き合ってみてください。
前述のエッセイでは、乾燥は秋から冬にかけて起きやすく、暖房の効いた気密性の高い住宅では、室内の相対湿度が外気より大幅に低くなり、肌の水分が奪われやすいことが紹介されています。同じ人の肌を夏と冬で比べた調査でも、冬は肌のバリアや水分を保つ働きが低下しやすいとされています。
日本化粧品工業会のQ&Aには、秋から冬にかけて体が乾いてかゆくなる理由として、皮脂や汗の分泌が少なくなり、洗浄の必要性も下がることが挙げられています。そのため、ボディソープの使用量を減らしたり、保湿タイプに替えたりして、入浴後はすぐにクリームやローションを塗るよう案内されています。顔のケアにも通じる考え方ですね。
環境面では、エアコンの風が直接当たる席、暖房の効いたオフィス、長時間のマスク、長風呂や熱いお湯なども、乾燥を感じやすい要因になります。加湿器を使う、風が直接当たらない位置に座る、といった環境の工夫も、保湿ケアの一部と考えてみてください。化粧品だけで解決しようとしないことが、結果的に近道になります。
ほかに、花粉やPM2.5が気になる時期、季節の変わり目、睡眠不足が続くときなども、肌が不安定になりやすい傾向があります。そうした時期は、普段より少し保湿を厚めにして、洗顔はやさしく、刺激の強いものは控えめにするなど、ゆとりを持たせたケアに切り替えておくと安心です。

保湿ケアの基本は、水分を与えることと、水分が逃げないようにすることを、両方行うことです。日本化粧品工業会は、保湿を、肌に水分を与えること、またはその蒸発を防ぐことで、肌のうるおいを保つこととしています。化粧水だけでは、時間がたつと水分が蒸発してしまうことがあるため、そのあとの乳液やクリームでふたをする意味が出てきます。
化粧水のあとに、すぐ乳液やクリームを重ねるのが面倒、という声もあります。けれど、夕方につっぱりを感じる方のほとんどは、このふたの役目をするステップが不足している印象があります。難しければ、まずは手持ちのクリームを、頬と口まわりなど乾きやすい部分にだけ、薄く重ねるところから始めてみましょう。
保湿のタイミングも大切です。日本化粧品工業会は、洗顔後の肌は乾きやすいため、すぐに保湿ケアを行うよう案内しています。洗顔のあと、リビングに戻ってスマホを見たりしているうちに、肌が乾いてしまうのはよくあること。洗面所を出る前に、化粧水だけでもつけてしまう習慣にすると、うるおいを逃しにくくなります。
相談者化粧水は、何回も重ねづけしたほうがいいんでしょうか?
Relash回数より、つけたあとの肌がどう感じるかを基準にしてください。製品に使用量の目安が書かれていれば、それを守ったうえで、肌がなじんでしっとりしたら十分です。重ねすぎてベタつく、こすって摩擦になる、というときは、量や回数を見直してみましょう。
基本の順番は、洗顔、化粧水、美容液、乳液やクリーム、朝は日焼け止め、という流れです。ただし、製品によって使い方が異なるため、説明書に順番が書かれている場合は、そちらを優先してください。日本化粧品工業会のQ&Aでも、複数の製品を使う場合は、1つずつ順に使い、混ぜないようにと案内されています。
| ステップ | 役割とポイント |
|---|---|
| 洗顔 | 汚れや余分な皮脂を落とします。ぬるま湯で、泡をのせてなでるように洗い、洗浄料が残らないようにすすぎます。 |
| 化粧水 | 肌に水分を与え、次のケアをなじませやすくします。コットンでこすらず、手でそっとなじませます。 |
| 美容液 | 気になる肌悩みに合わせて使います。使うものは1つか2つに絞ると、肌の反応が分かりやすくなります。 |
| 乳液・クリーム | 油分で水分の蒸発を防ぎます。乾燥しやすい頬や口まわりは、やや多めに重ねます。 |
| 日焼け止め(朝) | 紫外線は一年中降り注ぎます。十分な量をムラなく塗り、少なくとも2〜3時間おきに塗り直しを目安にします。 |
朝は、夜に比べて時間がないので、洗顔をぬるま湯だけにして、化粧水、乳液、日焼け止めのシンプルな三段階にまとめても構いません。夜は、メイクや日焼け止めをしっかり落としてから、保湿を丁寧に行います。夜の保湿は、寝ている間の乾燥対策にもなるので、少し念入りに行うと安心です。
もし、毎日のケアに時間をかけられない日は、化粧水と乳液、あるいはオールインワンタイプで、「水分」と「ふた」を同時に済ませるのも選択肢です。続けられるやり方で、毎日欠かさず保湿することが、いちばんの味方になります。

保湿成分は、大きく分けると、水分を引きつけて抱える成分と、油分で蓋をする成分があります。日本化粧品工業会の『保湿とエモリエント』では、水に溶けやすく吸湿性の高い成分をヒューメクタントと呼び、グリセリン、乳酸、PCA-Na、尿素などが例として挙げられています。一方、油に溶ける成分のエモリエント剤には、天然の油脂、高級脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、リン脂質などがあるとされています。
選ぶ際は、パッケージの「うるおい」「しっとり」といった言葉だけでなく、成分表示と使い心地に注目しましょう。水分を抱える成分が中心のものは軽い使い心地になりやすく、油分が多いものはしっとり、こっくりとした感触になりやすい傾向があります。ただし、配合の量やバランスは製品ごとに異なるので、実際に使って、自分の肌での感触を確かめることが大切です。
自分の肌に合うかどうかは、腕の内側など小さな範囲で試してから、顔に使うのが安心です。日本化粧品工業会のQ&Aにも、新しい化粧品は目立たない部位で試すことが案内されています。使用中に赤みやかゆみ、ヒリヒリ感が出たら、すぐに使用をやめましょう。症状が続く場合は、皮膚科に相談してください。
高価なものほど良い、とは限りません。大切なのは、継続して使える価格と使い心地で、毎日たっぷり使えることです。ケチケチ使うと、肌をこする摩擦が増えてしまいますので、量の目安を守りつつ、惜しまず使えるものを選ぶほうが、結果的に肌にはやさしいでしょう。
夏から秋へ、秋から冬へと季節が変わるタイミングで、保湿力を少しずつ強めていくイメージがおすすめです。日本化粧品工業会のQ&Aでは、夏に使っていた化粧品が肌に合っていればそのまま使い続けてよい、乾燥を感じるなら保湿力の高い製品や美容液を足す、と案内されています。急に全部を変えるのではなく、足したり、一つ替えたりと、少しずつ調整してみましょう。
Tゾーンはべたつくのに、頬は乾く、という混合タイプの方も多いです。そんなときは、顔全体に同じ量を塗るのではなく、乾燥する頬や目もと、口まわりには多めに、Tゾーンは軽めにと、部位ごとに量を変えるのも一つの方法です。メイク前に使うときは、スキンケアを十分になじませてから、ベースメイクに進むと、ムラや崩れを防ぎやすくなります。
また、肌がゆらぎやすい時期は、新しい成分を一度に取り入れず、一つずつ試してください。もし乾燥に加えて、かゆみやヒリヒリを感じるときは、保湿ケアだけでなく、洗顔や紫外線対策なども含めて見直しましょう。日本化粧品工業会のエッセイには、乾燥した肌は小さなひび割れによって、かゆみを感じやすくなることも書かれています。
相談者ベタつくのが苦手で、クリームを避けてしまうんです。それでも大丈夫でしょうか?
Relash苦手なものを無理に使う必要はありません。ただ、化粧水だけで夕方に乾くなら、軽い乳液やジェルタイプを薄くのばして試す手があります。量を減らして、頬など乾く場所だけに重ねてみてください。使い心地が合えば、続けやすくなりますよ。
ここまでで、保湿の基本はご理解いただけたでしょうか。ここからは、よくある落とし穴を見ていきます。気づかないうちにやってしまっている習慣が、乾燥の一因になっていることがあります。ご自身のふだんのケアと照らし合わせながら、読み進めてみてください。

よくあるのは、洗いすぎです。日本化粧品工業会の『肌の汚れを落とす ―洗浄料―』には、洗うことは大切だけれど、ゴシゴシと強くこすると肌を傷めることがある、と書かれています。乾燥しやすい方は、一日に何度も洗顔料で洗うのを避け、必要のない場面では、ぬるま湯だけにするなど、洗い方を工夫してみてください。
次に、熱いお湯でのすすぎや入浴です。熱いお湯は気持ちよく感じられますが、肌が乾きやすくなるといわれています。お湯の温度の目安は公的な資料に明記が少ないため、「熱すぎずぬるめ」を意識するくらいで十分です。お風呂上がりは、タオルでこすらず、押さえて水分を取り、すぐ保湿へ進みましょう。
三つ目は、乾燥が気になるからと、パックや美容液を次々と足してしまうことです。肌の状態が落ち着かないときこそ、使うアイテムを絞り、観察しながら調整するのが近道です。いろいろ重ねた結果、どれが合わなかったのかが分からなくなる、という事態は避けたいところですね。
最後に、紫外線対策の不足です。紫外線のUVBは、日本化粧品工業会によれば、表皮に作用して赤みなどの炎症を起こすことがあります。炎症を起こした肌は乾燥しやすくなるため、保湿とセットで、紫外線対策を続けましょう。曇りの日や冬でも、油断は禁物です。
保湿ケアは、続けることで少しずつ手応えを感じやすいものです。昨日と今日で劇的な差が出なくても、一週間、一か月と、肌のつっぱり感や粉ふきの出方を振り返ってみてください。変化を日記やスマホのメモに残しておくと、どのアイテムが合っていたか、どの季節に乾きやすいかが見えてきます。自分の肌の癖を知ることが、ムダのない保湿選びにつながります。
保湿を続けていても、強いかゆみで眠れない、赤くただれている、ひび割れて出血する、ジュクジュクしている、全身に広がっている、といった場合は、乾燥肌の域を超えている可能性があります。日本皮膚科学会の『皮膚科Q&A』には、アトピー性皮膚炎や、かぶれ、魚鱗癬などの項目があり、症状に合わせた診断と治療が必要な場合があります。
乾燥のように見えても、湿疹や接触皮膚炎、そのほかの皮膚の病気が隠れていることもあります。診断はセルフケアではできませんので、「いつもと違う」「ケアをしても改善しない」と感じたときは、遠慮なく皮膚科にご相談ください。受診のときは、使っているスキンケア製品や、症状が出た時期、生活の変化を伝えられるようにしておくと役立ちます。
一般的には、水分を与える化粧水を先に、油分でふたをする乳液やクリームを後に使います。ただし、製品によって使用順が決められている場合があるので、説明書を優先してください。
朝と夜の二回が基本ですが、乾燥が強い日は、日中にポイントで保湿剤を重ねても構いません。メイクの上から使えるミストやバームなど、手軽なものを使うのも一案です。つらい乾燥が続くときは皮膚科でご相談ください。
オイルは水分の蒸発を防ぐ役割が中心です。水分を与えるステップと組み合わせたほうがバランスがとりやすいので、化粧水のあとに少量使う方法がなじみやすいです。肌に合うかは、少量で様子を見てください。
必要です。紫外線で炎症が起きると、肌の状態はさらに揺らぎやすくなります。乾燥が気になる時期は、保湿力のあるタイプや、肌に合う使い心地のものを選び、帽子や日傘も併用してみてください。
保湿を控えると、かえって肌が乾いてバリアが揺らぐことがあります。ニキビの状態によって対処は異なるため、赤みや痛みが強い、繰り返すといった場合は、皮膚科にご相談ください。


乾燥肌の保湿ケアは、水分を与える化粧水と、逃がさないための乳液やクリームを、洗顔後すぐに重ねるのが基本です。季節や肌の状態に合わせて量や質感を調整し、洗いすぎ、熱いお湯、紫外線といった乾燥の要因も一緒に見直してみてください。強いかゆみや赤みが続くときは、皮膚科にご相談ください。
石巻市のRelash Garden Loungeは、肌に向き合う時間を、心ほどけるひとときにとの思いで、ホームケア相談やコラーゲンマシン、ポイントケアの炭酸フリーズピーリングをご用意しています。日々の保湿で迷ったときは、メニュー・料金をご覧のうえ、気軽にご相談ください。肌の状態を見ながらご提案します(効果には個人差があります)。
日本化粧品工業会『皮膚の乾燥と保湿』(田上八朗、2012年)、日本化粧品工業会『保湿とエモリエント』、日本化粧品工業会『肌の汚れを落とす ―洗浄料―』、日本化粧品工業会『化粧品Q&A』、日本化粧品工業会『紫外線の肌への影響』、日本化粧品工業会『紫外線防止の基本』、日本皮膚科学会『皮膚科Q&A アトピー性皮膚炎』。