
相談者ドラッグストアの日焼け止めコーナーで、SPFとかPAとか数字と+がいっぱいで、毎回何を買えばいいか分からなくなります…。
Relashその気持ち、よく分かります。選ぶときは、まず「今日どこでどれくらい過ごすか」を決めて、それに合う強さを選ぶのが近道です。数字の意味も、あとで一緒に整理しましょう。
売り場の棚の前で、手に取った日焼け止めを裏返したり戻したりしながら、結局いつもと同じものをかごに入れてしまう。そんな経験は、きっと多くの方にあるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、日焼け止めは「数字が大きいほど良い」わけではなく、「過ごす場所と時間に合った強さのものを、決められた量でしっかり塗る」ことがいちばん大切です。この記事では、SPFとPAの見方、シーン別の目安、タイプごとの特徴、顔と体の塗り方、塗り直しのタイミング、夜の落とし方までを順番にご案内します。根拠には、環境省、日本皮膚科学会、日本化粧品工業連合会などの公的・学術的な資料を使っています。

日焼け止めを選ぶとき、最初に考えたいのは「今日はどんな一日か」です。同じ日焼け止めでも、片道10分の通勤と、炎天下で半日過ごす野外イベントでは、必要な強さも、落ちにくさも違います。日本化粧品工業連合会の紫外線防止の基本でも、生活シーンによって必要な対策は異なるため、シーンに合った製品を選び、SPFとPAの表示を確認して選ぶよう案内されています。
日本皮膚科学会の皮膚科Q&Aでは、日焼け止めの第一の目的は強い日焼け(サンバーン)を防ぐこと、と説明されています。日常生活で光老化を防ぐだけなら強いものは必要なく、海や山のレジャーでは強いものを使う、というのが基本の考え方です。「いつも最強のものを」と構えなくても大丈夫、ということですね。
もうひとつ大切なのが、日焼け止めは紫外線対策の主役ではなく「最後の砦」という位置づけだということです。日本皮膚科学会のQ&Aでは、まず日傘、全周につばのある帽子、長袖・長ズボンなどで皮膚に届く紫外線を減らし、それで防ぎきれない部分を日焼け止めで守る、という順番が示されています。日焼け止めだけに頼らず、組み合わせて考えると、塗る負担も減らせます。
日本化粧品工業連合会は、日焼け止め以外の工夫として、つばの広い帽子、日傘、長袖、サングラスの併用を紹介しています。長時間屋外にいる場合は、ラッシュガードも役立つとされています。たとえば通勤なら日傘、休日の散歩なら帽子と日焼け止めというように、「この日はこの組み合わせ」と自分なりの定番を決めておくと、毎回悩まずに済みます。

SPFはSun Protection Factorの略で、主にUVB(日焼けで赤くなる原因になる紫外線)に対する防止効果を示す値です。日本皮膚科学会のQ&Aでは、夏の海岸で20分日光に当たると翌日に赤みが出る人の場合、SPF30の製品を規定量塗れば、理論上は20分の30倍にあたる約10時間まで赤みが出ないという計算が紹介されています。ただし、これは理論上の目安です。実際は汗や摩擦、塗る量によって変わります。
PAはProtection Grade of UVAの略で、UVA(肌の奥まで届きやすい紫外線)に対する防止効果の目安です。+の数で表し、PA+は「UVA防止効果がある」、PA++は「かなりある」、PA+++は「非常にある」、PA++++は「極めて高い」と区分されています。日本化粧品工業連合会は、2012年の基準改定にともなってPA++++の表示が追加されたことを発表しています。
SPFの表示には上限があります。SPF50程度あれば、紫外線の強い場所や紫外線に敏感な人でもUVBによる炎症を防げると考えられているため、測定結果がSPF50より有意に高い場合は「SPF50+」と表示されます。SPF50を超えると性能の差が小さくなり、実用上の意味が薄れるとも説明されています。SPFはUVB、PAはUVAと、守る対象が別なので、両方を見るのがポイントです。
相談者じゃあ、SPF50+でPA++++を選んでおけば、とりあえず安心ですか?
Relash強い表示のものは屋外レジャーでは心強い一方で、日常使いには肌への負担が気になる方もいます。日本皮膚科学会のQ&Aでも、数値の大きさだけで選ぶより、状況に合った強さのものをきちんと塗るほうがよいと案内されています。
日本皮膚科学会のQ&Aでは、状況別の目安が表で示されています。下の表は、その内容をもとにまとめたものです。製品の表示は時代とともに変化しており、いまはSPF30やPA+++前後の製品が日常使いとして一般的に並んでいます。表はあくまで「必要以上に強いものでなくてもよい場面がある」という考え方の参考にしてください。
| 過ごし方の例 | SPFの目安 | PAの目安 |
|---|---|---|
| 日常生活(通勤・買い物など) | 5 | + |
| 軽い屋外活動、ドライブなど | 10 | ++ |
| 晴天下のスポーツ、海水浴など(耐水性のあるもの) | 20 | +++ |
| 熱帯地方での屋外活動 | 30以上 | +++ |
敏感肌の方や、肌が赤くなりやすい方、日差しの強い地域で長時間過ごす方は、表より一段階高めを選ぶなど、ご自身の状況に合わせて調整してもかまいません。環境省の『紫外線環境保健マニュアル2008』でも、日常の買い物や散歩ならSPFやPAは低めのもので足りること、屋外スポーツや炎天下のレジャーでは高い数値を、汗をかく場面や水に入る場面では耐水性の高いものを、と案内されています。
耐水性については、日本化粧品工業連合会が、水に濡れる場面での目安として「UV耐水性」の星マーク(★または☆の数)の表示を定めています。ワンスターとツースターの2段階があり、水に触れる前後でSPFがどの程度保たれているかを評価したものです。ただし、ウォータープルーフの製品でも、衣服との摩擦や動作で落ちることがあるため、こまめな塗り直しは必要です。
日焼け止めには、ミルク、クリーム、ジェル、スプレー、パウダー、スティックなど、さまざまな形があります。それぞれに使いやすさの違いがあります。ミルクやジェルは、顔や体に広げやすく、日常使いに向いています。スティックは持ち歩きやすく、顔まわりの塗り直しに便利です。スプレーやパウダーは手軽ですが、吹きつけ量にムラが出やすいため、手に取ってから伸ばす、または風の少ない場所で十分な量を使うなどの工夫が必要です。
成分の面では、紫外線を吸収して熱などに変えるタイプ(紫外線吸収剤)と、肌表面で紫外線を跳ね返すタイプ(紫外線散乱剤)があります。吸収剤は使用感が軽いものが多く、散乱剤は肌表面に白っぽさや重さを感じることがあります。どちらが優れているというより、使用感と肌との相性の問題です。敏感な方は、成分の表示を確認し、腕の内側など目立たない部分で試してから使うと安心です。
季節ごとの使い分けも考えておくと便利です。たとえば、乾燥しやすい秋冬は保湿力のあるミルクやクリームタイプ、汗をかきやすい夏はジェルや軽い乳液タイプ、というように、肌の状態に合わせて選び替える方法があります。ひとつの製品を一年中使い続けなくても大丈夫です。ただし、新しい製品に替える日は、念のため腕の内側などで試してから顔に使うと安心です。
メイクの下地を兼ねる日焼け止め、スキンケア成分を含むもの、ブルーライトにも対応をうたうものなど、機能の幅も広がっています。ただし、機能が増えるほど肌に合わない成分が含まれる可能性も高まります。まずは自分の肌質(乾燥しやすい、ベタつきやすい、赤みが出やすい)を把握し、かゆみやヒリつきを感じたら使用を中止して、症状が続くときは皮膚科を受診してください。
もし「どれが自分に合うか分からない」と迷う場合は、サロンやカウンターで相談する方法もあります。Relash Garden Loungeでも、ホームケア相談で、普段お使いのスキンケアの流れを伺いながら、無理なく続けやすい工夫を一緒に考えています。

日焼け止めの効果を左右するのは、実は「何を選ぶか」と同じくらい「どれだけ塗るか」です。日本皮膚科学会のQ&Aによると、SPFとPAは1平方センチメートルあたり2mgを塗った条件で測られていますが、実際には約1.3mg程度しか塗られていないことが多く、これは必要量の約3分の2にあたります。その場合、効果はおよそ半分になるとされています。
顔に塗る量の目安は、環境省のマニュアルでは、クリーム状ならパール粒2個分、液状なら1円硬貨大を2回に分けて、とされています。手のひらに取った量を、額・鼻の上・両頬・あごの数か所に置き、そこから外側へ伸ばすとムラを防げます。一度で塗りきらず、少し置いてからもう一度重ねると、薄くなりがちな部分もカバーしやすくなります。
腕や脚は、表と裏に1本ずつ線を描くように出してから、手のひらで均一に広げます。鼻の頭、頬骨の高い部分、肩、背中の上部など、日光が当たりやすい場所は念入りに。また、日本皮膚科学会のQ&Aは、うなじ、耳たぶ、胸、首、手の甲を塗り忘れやすい部位として挙げています。髪をまとめる日は、特にうなじと耳まわりを意識してみてください。
外出前に塗ることも大事です。環境省のマニュアルでは、戸外に出る前に塗るよう案内されています。出かける直前にバタバタ塗ると、ムラになりやすいので、朝の身支度の流れの中に「日焼け止めを塗る時間」をあらかじめ組み込んでおくと続けやすいですね。
日焼け止めは、汗、皮脂、タオルでの拭き取り、手や衣類との接触で落ちていきます。環境省のマニュアルや日本化粧品工業連合会は、2〜3時間おきの塗り直しを目安としており、日本皮膚科学会のQ&Aは約3時間ごとの塗り直しで確実に効果を保てるとしています。つまり、朝塗ったら夕方まで安心、とはいかないのですね。
とはいえ、仕事中にメイクの上から塗り直すのは現実的に難しいこともあります。そんなときは、スティックタイプやパウダータイプ、メイクの上から使えると表示されたスプレーなど、塗り直し向きのアイテムを活用してみてください。ティッシュで余分な皮脂をそっと押さえてから重ねると、ヨレを減らせます。長時間屋外にいる日は、日傘や帽子を併用して、塗り直しの回数に頼りすぎない工夫も有効です。
相談者毎日2〜3時間おきなんて、できる自信がないです…。通勤と室内の日はどうしたらいいですか。
Relash毎日完璧にしなくて大丈夫ですよ。室内中心の日は朝にしっかり塗って、昼休みに外へ出るときだけ顔と首に足す、くらいで十分です。屋外で過ごす時間が長い日だけ、塗り直しを意識してみましょう。
ここで、紫外線の強さを知る目安もご紹介します。環境省のマニュアルでは、紫外線の強さを示すUVインデックスの区分と対策の例が紹介されています。数値が3〜5の「中程度」では日中はできるだけ日陰を利用し、6〜7の「強い」では長袖シャツ・日焼け止め・帽子を使うとよいとされています。気象庁が公表する紫外線情報を天気予報とあわせて確認すると、その日の対策の強さを決めやすくなります。

日焼け止めは、塗るだけでなく、落とすところまでが一連のケアです。環境省のマニュアルでは、毎晩石けんや洗浄料で落とすこと、耐水性の高いものは専用のクレンジングが勧められています。日本皮膚科学会のQ&Aも、最近の製品は落ちにくいものがあるため、夜は専用のクレンジングなどでしっかり洗い落とすことが大切と説明しています。
洗い方は、ゴシゴシこすらず、クレンジングをたっぷり手に取って指の腹でくるくるとなじませ、ぬるま湯でやさしく流すのが基本です。ダブル洗顔が必要かどうかは製品によって異なるため、パッケージの案内に従ってください。洗い残しは肌の負担になりますが、洗いすぎや強いこすり洗いも乾燥のもとになります。洗顔後は、できるだけ早く化粧水と乳液、クリームなどで保湿して、肌をいたわってあげましょう。
もし、日焼け止めを塗ったあとに赤み、かゆみ、ヒリヒリ感、小さなブツブツが出た場合は、使用をいったん中止して、水でやさしく洗い流してください。症状が続く、広がる、腫れるといったときは、自己判断で別の製品を重ねず、皮膚科を受診しましょう。また、薬を服用中で日光に当たると赤みが出やすい場合は、医師や薬剤師に相談してください。
日焼け止めは、シーンに合う強さを選び、顔なら手のひらに取った量を数か所に置いて重ねる。2〜3時間おきの塗り直しと、夜のやさしい落とし方までがワンセット。日傘や帽子との併用で、負担を減らして続けましょう。
使い切れなかった日焼け止めを、翌年も使うかどうか迷う方は多いです。容器の口が汚れていないか、中身が分離したり、においが変わったりしていないかを確認し、少しでも不安があれば新しいものに替えましょう。肌に直接つけるものだからこそ、「もったいない」より「安心して使えること」を優先してください。
数値だけで肌への負担が決まるわけではありませんが、数値が高いものは成分が濃いことが多いと案内されています。日常使いなら、生活に合った強さを選び、屋外レジャーの日だけ強いものに切り替える使い分けが続けやすい方法です。肌に不安があるときは、皮膚科でご相談ください。
雲があっても紫外線は届きます。気象庁が公表する紫外線情報(UVインデックス)で、その日の強さを確認して調整するのがおすすめです。外に出る時間が短い日は軽めのもので構いません。
製品によって使い方が異なるため、パッケージの案内に従うのが基本です。一般的には、スキンケアのあとに日焼け止め、その上に下地やファンデーションを重ねます。下地に紫外線防止の表示がある場合は、塗る量が足りているかを確認してください。
開封後の保管状態や期間によって、使用感や性能が変わることがあります。パッケージの使用期限や保管方法の表示を確認し、においや分離など違和感があるときは使用を控えて、新しいものに替えましょう。
肌質や症状によって適したものが異なります。使う前に腕の内側などで試し、赤みやかゆみが出ないかを確認してください。アトピー性皮膚炎などで治療中の方は、主治医にご相談のうえ選ぶと安心です。


日焼け止めは、SPFはUVB、PAはUVAと、守る相手の違いを知ったうえで、シーンに合った強さを選ぶのが基本です。塗る量は決められた量を守り、2〜3時間おきに塗り直して、夜は専用のクレンジングなどでやさしく落としましょう。日傘や帽子、長袖との併用も、肌への負担を減らす助けになります。
石巻市の「Relash Garden Lounge(リラッシュ ガーデン ラウンジ)」では、肌の状態を見ながら、ご自宅でのお手入れのご相談をお受けしています。ポイントケアの炭酸フリーズピーリングや、ピンク色の光を浴びるリラックスタイムのコラーゲンマシンなど、肌に向き合うひとときをご用意しています(効果には個人差があります)。サロンについてのページもあわせてご覧ください。
環境省『紫外線環境保健マニュアル2020』(2020年3月改訂)、日本皮膚科学会『皮膚科Q&A 日焼け Q13 サンスクリーン剤の使い方』、同『皮膚科Q&A 日焼け Q12 サンスクリーン剤の性能表示』、同『皮膚科Q&A 日焼け Q10 光線防御のポイント』、日本化粧品工業連合会『紫外線防止の基本』『気になる紫外線用語CHECK!』、環境省『紫外線環境保健マニュアル2008』(2008年)。